濡れる孤島

简介

サンセットディナーを楽しもうと、豪華クルーザーを走らせている資産家の令嬢とその使用人。
超わがままで傲慢な性悪女の葉鳥雫、葉鳥美緒の姉妹は、
使用人である武次郎をコキ使い、武次郎の行動が気に入らないと文句ばかり言って、ひどい扱いをしていた。

しかし、クルーザーが故障し遭難する。

「アナタが無能だからこんなことになったのよッ！」と、
遭難した全責任を武次郎に押し付ける姉妹。

数日間の漂流の末に、無人島に流れ着いた武次郎と、雫と美緒。

それまで教養のない貧乏人の武次郎をを忌み嫌っていた姉妹だったが、
文明と隔絶された極限の環境の中で、武次郎と姉妹の立場は見事に逆転し、
次第に、野性に返った男と女の本能に赴くままの無人島生活が始まる……。

	帝王学を学ぶ、葉鳥家長女葉鳥雫葉鳥平蔵の長女で、有名女学園3年生。平蔵から、幼い頃から雫に対し、葉鳥家の次期当主に相応しい男性と結婚し、葉鳥グループの更なる繁栄、飛躍に貢献することが長女のお前にしかできない役割だと言い聞かされてきた。そのことを、常に忘れず、葉鳥家の長女として、良き後継者、葉鳥家の次期当主になる男性との結婚を義務つけられた雫は、幼い頃から父親の期待に応えたい一心で毎日努力を積み重ね、父親の期待に応えてきた努力家。創業家に生まれたというプライドと、父親の期待に応えてきた自信から、自意識過剰で自分は特別な存在だと勘違いし、周囲の者を召使のように使い見下す言動が多い。

	気性の荒い、葉鳥家次女葉鳥美緒創業家の家に生まれたというだけのブランド力をフル活用し、ツイッターで自慢話、リアルでも自慢話、人を見下すことで自分の存在をアピールし、周囲から羨望され、安らぎや心の安定に浸る生活を送っていた。頭は悪くはないが、幼い頃から平蔵を恐れた周囲の人間が常に美緒の好むように行動していたため、判断力や決断力に欠ける。立場により態度を変える打算的なところがあり、無人島生活で生き抜くためには、武次郎の生活力が必要だとわかると、武次郎に近づき利用しようと企む。雫に対しては、畏敬の念を抱きながらも、平蔵の期待を一身に受けていることに嫉妬し、愛憎入り混じった感情を持っている。

	楠武次郎経済大学経済学部3年生。農業が盛んな地方で高校卒業までの時期を過ごし、経済大学に進学のため上京する。かつて、一次産業に従事し、日本の繁栄を支えたが、高度経済成長期を得て構造転換の大波の中で衰退し、やがて国に見捨てられた小規模農家を儲かる農家に替えたいと思いから、経済大学へ進学する。両親が既に他界している為、大学の学費と、生活費はバイトで賄っている苦学生。